TRUST FACTORを読んで〜エンゲージメントにも「信頼」が効きそうだと思った話
TRUST FACTOR トラスト・ファクター~最強の組織をつくる新しいマネジメント を読んだ
ポール J・ザックさんのTRUST FACTOR。2017年の本なので結構新しい本ですが、主張はシンプルで
成功する企業、組織条件は、信頼の文化があるかどうかだ、それは科学的に証明できる。
という感じ。
個人的には最近読んでいた本や、論文、仕事を通して感じていることの裏付けになる感じだなと思って興味深く読めた。書籍の網羅的な要約はそれ系のブログに譲るとして、個人的な感想交えて書こうかなと思います。
TRUST FACTOR トラスト・ファクター~最強の組織をつくる新しいマネジメント この本ですね〜
- TRUST FACTOR トラスト・ファクター~最強の組織をつくる新しいマネジメント を読んだ
- オキシトシンが大事、それは信頼を受けると分泌される
- 組織において、どうやって信頼を高めオキシトシンを多くするか、その秘訣も「OXYTOCIN」
- 特に面白いなと思ったのはアメリカの海軍や空軍でもこの「信頼」を大事にする文化を重視し始めているということ
- エンゲージメントにも「信頼」が効くのではないか
オキシトシンが大事、それは信頼を受けると分泌される
人間の脳内物質であるオキシトシンというものが、人に幸福感を与えたり、共感力を高めたりするらしく、それが業務の生産性にも直結するらしい。
そして人は信頼を受けた時にオキシトシンの分泌が促進されるというのを研究で突き止めたよ、という感じのお話。
どこかの部族で、信頼を高める感じの儀式(イベント)を行う前後で血液検査をして、オキシトシンの分泌量を比べたらやっぱり儀式後の方がオキシトシンがたくさん出ていたとか。
組織において、どうやって信頼を高めオキシトシンを多くするか、その秘訣も「OXYTOCIN」
オキシトシンが生産性を高めるよ〜的な研究結果を読んだりして、いろんな企業の偉い人から、筆者にコンサルの依頼が舞い込んだらしい。そのコンサルの経験や研究結果を通して、組織ではこれを気をつけましょうと導き出したのが「OXYTOCIN」
- Ovation(賞賛すること)
- eXpectation(期待をかけ伝えること)
- Yield(委任すること)
- Transfer(委譲すること)
- Openness(オープン化)
- Caring(思いやり)
- Invest(投資)
- Natural(自然体)
expectationだけ、二文字目だけどな。 でもよく語呂あったよね、絶対これまとめたとき「おっしゃこれ覚えやすいやん俺マジ天才」くらい思っただろうな(失礼)
冗談はおいておいて、これをちゃんとやれば組織の文化に「信頼」が醸成されて、その組織の競争力、生産性が高まるというような話でした。
ちなみに今日たまたま「海賊と呼ばれた男」(出光がモデル)の漫画1〜3巻を読んだんですが、そこに書かれていたことは、このOXYTOCINに結構当てはまるなあと思いました。まあ、過酷な労働とか当時だからこその内容もあるんですけど、それは置いといて。
- 人間尊重をかかげ、苦しくとも人員整理は絶対にしないと打ち出す(Caring(思いやり))
- ラジオ事業の話を持ち込んだ元海軍大佐に、ラジオ事業の責任者を任せる(Yield(委任)、Transfer(委譲))
- 戦争から帰ってきた店員や、ラジオ事業で新たに加わった海軍の人材を財産として捉え大切にする(Invest(投資))
とかね。
特に面白いなと思ったのはアメリカの海軍や空軍でもこの「信頼」を大事にする文化を重視し始めているということ
TRUSTFACTORの中には、いろんな企業の事例が書かれているのですが、特に印象に残ったのは海軍や空軍の話。
アメリカ海軍でも、権限委譲の普及の取り組みを2015年くらいからやってるらしく、海軍の職務遂行能力を向上させる要素が「委譲」と「信頼」らしい。軍隊のイメージは統制、規律、トップダウンという感じだったので、全然イメージと違ってびっくりした。
軍隊でもそうやって信頼と委譲を重視してるのだから、やはり効果があるのだろう。なんというか時代の変化を感じた。
アメリカ空軍でも、オープン化を取り入れていたりするらしくそんなエピソードが載っていた。
エンゲージメントにも「信頼」が効くのではないか
このTRUSTFACTORで取り上げられている内容、企業のエンゲージメント向上にも効く内容なのではないかと思う。そもそもエンゲージメント向上させようというのも、最終的な目的としては生産性をあげようということだと思うので、信頼の文化により生産性が上がるということであれば、それはきっとエンゲージメントにも効能があるんだろうと思う。
ここ数年で書かれている論文や書籍を並べてみると、「信頼」と共通項のある要素が含まれているものが多いように感じる(自分がそういうのが好きだから、そういう本ばかり読んでるだけという可能性もあるw)
- なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる
- 対話型組織開発――その理論的系譜と実践
- 組織の未来はエンゲージメントで決まる
- 「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践
- ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
- ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
- エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- メンバーの才能を開花させる技法
個人的には、もう世の中はそっちの方向に進んでいるのだと思うので
乗るしかない、このビッグウェーブにという気持ちでいます