テキトウ組織論・KYチーム開発

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HBRベスト10論文を読んで

ハーバード・ビジネス・レビューBEST10論文を読みました

年末の休みに入るときに借りた「ハーバード・ビジネス・レビューBEST10論文」をやっと読めたので感想的なモノをまとめてみようかと思いました。

比較的新しい論文がやはりしっくりきた

取り上げられている論文は、当然BEST10なのでどれも素晴らしい内容だし、世界的に評価の高い論文ではあるものの 個人的な感想としてはやはり新しめの論文ほど、現代の市場環境、組織の実態に合っているような気がしました(生意気であるw(というか、私がいるような組織に合っているということかも))

ハーバード・ビジネスレビューBEST10論文のリスト

10個の論文は、古いもので1960年のものから、一番新しいものが2006年のものというラインナップで リストにすると以下の通りでした

個人的に特に印象に残ったのは

の3つで、全て'99以降のものでした。

イノベーションのジレンマ”への挑戦

組織能力の3要因という定義がまずわかりやすく、またその組織能力自体がときに、「その組織にできないこと」も規定するという指摘が面白かった。

組織能力の3要素

組織能力の3要素は

  • 経営資源(人材、技術なども、ブランドやサプライヤーとの関係性なども含む)
  • プロセス(経営資源を商品やサービスに変容させるための、相互作用やコミュニケーション、意思決定のパターンなど)
  • 価値基準(ある事業、市場の収益性や市場規模をどう捉えるかという基準)

とまとめられていた。詳細は書籍を読んでいただくのが確実ですw

組織が変化に直面しているときに効果的な設問

変化への直面というのがいわゆる「破壊的イノベーション」に対応する必要に迫られた状況だと思う

こういった時に以下二つを自問してみようと記されている

  • 当社にはこの新たな状況で成功するのに必要な経営資源があるか
  • プロセスと価値基準は変化に対応できるだろうか。

この2点目の設問の補足として

「プロセスや価値基準はこれまで十分役立ってきたため、この設問を自然に思いつくことは難しい」

というように書いてある。

これが『組織能力自体がときに、「その組織にできないこと」も規定する』ということの意味で、これがあるからイノベーションのジレンマが起きる、みたいな話かなと(多分)

これはとても納得感がありました

ちなみにこれに対処する方法としては

  • 新たな組織構造をつくる
  • スピンアウトにより、新たな組織能力を想像する
  • 買収によって組織能力を獲得する

が提示されていました

自己探求の時代

ドラッカーといえば「マネジメント」というイメージしかなかったのですが 1999年にこの「自己探求の時代」という論文を出していたんですね

というかドラッカーの著作は色々ありますもんね・・・

本当は全部読んだ方がいいんだろうな〜

ドラッカーも「強みを伸ばせ」と言っている

今までの職業人生で、色々な優秀な人々に「できていない部分を埋めないといけない」とフィードバックされてきた気がする

もっと勉強しておかないと人はついてこない、知識で負けていては信頼を得られない・・・

それを私に言ってくれた人たちは、非常に優秀で、本人たちはそれができた。でも自分にはできるイメージが湧かなかった。直感的に「それは違う気がする、私には合わない気がする」というのを感じていた。(もちろん、その人たちを尊敬していたし、言っていることは理にかなっていた。でも私には合わなかったといういだけ)

この「自己探求の時代」という論文を読んで、私は「やっぱり私の直感は私にとっては正しかったんだ!」と思うことができた。何が書いてあったのかはだいたい以下のようなこと。

強みを生かすために何をすべきか

  • 明らかになった強みに集中する
  • その強みをさらに伸ばす
  • 無知の元凶ともいうべき知的怠慢を知り、正す
  • 自己の欠陥、すなわち、自己が行なっていること、行なっていないことのうち、成果の妨げになっていることを改める
  • 人への接し方を改める
  • できないことはしないこと
  • 並以下の能力を向上させるために、無駄な時間を使ってはならない

特にできないことはしないこと並以下の能力を向上させるために、無駄な時間を使ってはならないというのが自分の今までの直感と合致していて「おおっ」という感じだった。しかもあの有名なドラッカーさんがそう言っている。

この論文は読んでよかったな〜という感じである。

イノベーションの罠

イノベーションのジレンマについてこの論文では、

「目先の成功に欠かせない既存事業からの売り上げと、将来の成功に欠かせない新コンセプトの開発を両立させるのは難しい」

と記述されていました。

このイノベーションのジレンマに関して様々な研究や文献があるにも関わらず、多くの企業がやはり”イノベーションの罠”にはまっている。というのが次に語られていて

その罠に関する知識とその忘却を回避する方法について整理している、と書かれ、以下のような見出しで語られていました。(詳細は論文を読んでいただければとw)

  • 戦略面の過ち:高すぎるハードルと狭すぎる視野
  • プロセス面の過ち:厳しすぎる管理
  • 組織面の過ち:弱すぎる連携と強すぎる組織の壁
  • スキル面の過ち:弱すぎるリーダーシップとつたないコミュニケーション

この罠を回避する方法としては、論文の最後に

  • 新しいアイデアを探す範囲を広げること
  • 厳しすぎる管理と硬直した組織構造を緩めること
  • イノベーションの推進責任者と既存事業の連携を改善すること
  • コミュニケーションとコラボレーションのスキルを磨くこと

とまとめられていました。

個人的に、日々気をつけていることとの共通項も多かったので印象に残っています。

本書の巻末には、ハーバード・ビジネス・レビューのマッキンゼー賞の歴代受賞論文(〜2013年まで)が掲載されていて 錚々たる面々の名前が連なっていました。

調べたら

promo.dhbr.net

ハーバード・ビジネス・レビューの2019新春スタートアップキャンペーンが実施中だったので これ購読しちゃおうかなと迷い中です。

やはりBEST10論文、よかった。

おわり