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心理学-パーソナリティーと知的能力

学習メモ 心理学 パーソナリティー

パーソナリティーとは、個人差、その人特有の「人となり」あるいは個性。知能と性格からなる。

心理的機能は知・情・意の三側面に分けられてきた。

知識、性格・性質、意志という感じ。全部ひっくるめてパーソナリティなので、知識とか知識の程度もパーソナリティに含まれる。パーソナリティ=性格みたいな単純な感じではない。

知・知能

知識に関する研究はいろんな人がやってた。それぞれが知識をどんな風に定義してたかとか、どういう説を唱えたかみたいなのを書いていくと以下のような感じ

  • ターマン:抽象的概念で物事を考え得る能力
  • バート:生得的なすべての精神的能力
  • シュテルン: 自己の思考を、新しい生活場面の要求に応じて、意識的に適応させようとする一般的能力
  • ビネー:知能検査、年齢尺度、精神年齢、知能指数(IQ)
  • スピアマン:一般因子、特殊因子、2因子説
  • サーストン:多因子説
  • ギルフォード:知性構造モデル
  • ウェックスラー:WAIS、成人用知能診断テスト

ビネーのIQテストとか有名。日本だと田中ビネーとか。ただIQは世間ウケが良すぎて、そもそもパーソナリティの一部分の知能のうちでもそれで測れるさらに一部を計測するものだったのに、なんだか万能視されすぎていろいろ誤解を生んだ。IQ意外にもEQとかその他いろいろ能力指標が出てきたのは結構最近。

知能と規定要因

生得説と経験説

家系研究法:ゴダード、バート

双生児研究法

双子研究は結構いろいろやってるらしいと聞く。双子が生まれると大学とかから協力依頼が行くとか。

パーソナリティー

態度:特定の対象に対するある感情的傾向に根ざした行動の構え

気質:遺伝的、生物学的な感情的性質

性格:先天的な気質と後天的な環境の影響によって形成された、その個人に特有の行動傾向(気質は性格の下位概念)

個性:性格は個性の意志的・感情的な側面

クレッチマー:類型論、性格類型

類型論に対し、個人の属性や特徴の記述からパーソナリティーへの接近を試みているのが特性論

キャッテル:表面的特性(35個)、源泉的特性(12個)

オルポート:ペルソナが演技者自身。パーソナリティーは「真にその人であるもの」「個人の中にあって、環境への彼独自の適応と行動を決定するところの、心理的・身体的な力動的体制である」。パーソナリティーの統合(全体的パーソナリティー/種々の自己/個人的特性/習慣/条件反射/神経細胞

類型論は今見ると結構乱暴に見えて、精神病患者の体格特徴を見て類型的に考えたりする。鬱の人には太った人が多いとか、神経症の人は細い人が多いとか。特性論はもうちょいマシで、性格のタイプみたいなものをたくさん定義してその組み合わせでパーソナリティを説明しようとした。でもやっぱり人間を分類しようというやり方は共通点がある。オルポートはもうちょっと統合的に見ようとした感じ。条件反射的なものから、習慣、自意識みたいなものまでが複雑に絡み合って1つのパーソナリティになる、みたいな。こう見ると人間は複雑なものを単純化して理解できるように頑張るけど、やっぱり複雑なものは複雑なままにしか理解できないという面があるような気がしてくる。

フロイトユング

フロイトユングはパーソナリティ理論において特に重要

フロイト

第1期:〜1900年ころ、ヒステリー症や神経症の臨床研究、精神分析学理論の基礎、意識・前意識・無意識

第2期:〜1914年ころ、自由連想法、本能理論、リビドー、エディプス・コンプレックス

第3期:1914年ころ〜、自我理論、自我とエス、イド、一次過程、快楽原則、現実原則、二次過程、超自我、道徳的感情

エゴ(自我)、エス(イド)、スーパー・エゴ(超自我)の概念が有名。第2局所論とも言われるパーソナリティ構造論の特徴は、自我、エス超自我の構造バランスによって人間の心理現象を捉えたところ。このバランスをとる機能(防衛機制)をもつ自我に重要性を置いたことも特徴。

フロイトも最初は意識・前意識・無意識という比較的単純化された概念でパーソナリティを説明しようとしてたけど、それでは説明できない事実に触れてより複雑な構造を取り入れるようになった感じがある(それでも割と理解しやすい単純な構造だけど)。欲求、欲望みたいなエス(本能的)と常識、理性みたいな超自我がせめぎ合ってる中で自我が防衛機制とか使いながらバランスとってく、みたいな理解。確かに人によってこのバランスはそれぞれだよなあって感じがする。

ユング

フロイトとも仲が良かったけど途中で仲違いした。

意識と無意識が対立的と捉えたフロイトに対して、ユングは補償的、調和的と捉えた。あと個人的無意識と集合的無意識というのが特徴。この集合的無意識ユングの特徴。家族的とか文化的な、普遍的な無意識という感じ。

フロイト的機制

フロイトが言い出した概念。防衛機制。一次過程を抑制するための二次過程の出現が防衛機制の基礎。現実を否定したり歪曲して不安から逃れるはたらき

積極的防衛機制

合理化や投射など

  • 投射:他人のせいにする
  • 置き換え:投射の一形態。特定の対象への態度、感情を別の対象に向けかえる。転移とも言われる
  • 反動形成:自分の感じていることと真逆の態度をとって安定を保とうとする
  • 合理化:酸っぱいブドウ、甘いレモンなどの理屈付け
  • その他:否定、同一化、退行、補償など

消極的防衛機制

抑圧や逃避など

  • 抑圧:破局を招く恐れのある欲求などを無意識下に押し込めようとする
  • 逃避:困難な状況から目を背ける
  • 否認:不安から目をそらし、認めないこと

良い防衛機制

調べると、ヴァイラントという人が防衛機制を4レベルに分割しているが、レベル4は成熟した防衛で

など、プラスに働く防衛機制もあると書かれている。

パーソナリティの診断

評定尺度法、質問紙法、投影法、作業検査法の4つに大別できる。

意識、前意識、無意識それぞれ、以下の方法が有効

  • 意識:評定法、質問紙法
  • 前意識:作業検査法
  • 無意識:投影法

評定尺度法

個人の行動の観察結果から、行動特性についてレベルをつけていく(評定する)

目的に応じて評定項目を調整でき、基本的に場所を選ばず実施できるというのがメリット

評定結果が観察者の主観に左右されやすいというのがデメリット

質問紙法

別名人格目録法。最も広く活用されている。16Personalitiesをイメージ。時に内省法とも呼ばれる。

実施が容易、採点処理が簡便、結果の信頼性も高いのがメリット

被検者が意図的に回答を歪めることがあるのがデメリット

Y-G性格検査、ミネソタ多面人格目録(MMPI)、モーズレイ性格検査、顕在性不安検査などがある

このタイプは16Personalitiesもそうだけど、人気が高くていろんなのが開発されてる印象。自分のパーソナリティも複雑だから理解しきれないし、まして他人のパーソナリティなんて分かるはずもないけど、何か一緒に活動するときにお互いのパーソナリティがぶつかっちゃうと面倒だし、パーソナリティが異なればある物事に対する捉え方もいろいろ違ってくるから、これをある程度だけでも知っておこうというのは有意義な活動なんだろうなと思う。

投影法

投射法とも呼ばれる。

ロールシャッハテスト、絵画統覚検査、絵画欲求不満検査などがある

作業検査法

一定の作業の結果からパーソナリティ分析を試みる。

実施が容易、集団実施可能、非言語的課題の使用により、必ずしも言語的能力を必要としない、被検者自身が意識していない内面的特性が把握できるなどがメリット

限られた課題、統制下での実施となり、パーソナリティ特性の一断面の測定となるのがデメリット

内田クレベリン精神検査、ベンダー・ゲシュタルト・テスト、意志気質検査などがある

パーソナリティと偏見

偏見には好意的偏見と非好意的偏見が存在するが、今日では非好意的偏見を指すと言っていい。

「特定の集団や個人に対する全面的、または部分的に誤った判断に基づく、嫌悪ないしは敵意の感情に根ざした態度」

拒否的感情

敵意、悪意、優越感、怒り、違和感、利己心、反感、嫉妬、自尊心、嫌悪感、怨み、恐怖、憎悪、不満、不安

否定的態度

誹謗、冷遇、批判、非難、隔離、悪口、差別、無視、警戒、排斥、軽蔑、陰口、攻撃、冷淡、忌避

オルポート

「偏見とは、合理性・公正・人間愛の3つの理想的規範からの逸脱であり、基本的に人間の理性を圧迫し、無価値化の種をまき散らす心理規制」

偏見の程度:誹謗→回避→差別→身体的攻撃→絶滅

偏見の本質:①無知または判断の誤りによる過度の一般化の過程②他者に対する否定的感情としての敵意

ステレオタイプ

紋切り型

ある社会的事象に対してもたれる比較的固定した態度や考え方。意図的に正当化された固定観念のイメージ、判断

レッテル貼りやカテゴリー化は、集団化や群化を行う上できわめて有用だが、一人歩きし出すと、「個人」の存在を見落としてしまう危険性がある。

選択的知覚と選択的忘却によって特徴づけられる。都合のよい情報だけが知覚され、不都合な情報は忘れ去られる。

ステレオタイプ化と投射は関係が深い。結局自分を守るために、誤りを自分の外に投射すると言える。

同調性

偏見のメカニズムは同調性に関連している。

表面的な同調性は、慣れた習慣、生活様式、制度を好みやすいという傾向性。

次に生き方への感情的拘束に根ざした同調性がある。根強い価値観によるものなので、社会的慣習が変わっても変えづらい

次に地位の不安定感に基づくもの。権威思考の感情と関連する。社会的ヒエラルキーの上位にいたいという感情から、下位の個人や集団を排斥しようとする。

オルポートはこれらは人間の本性に関わる問題だと言っている。

偏見というものをここまで広げて考えると、我々の日常は本当に偏見に溢れているなあと。やっぱりここでオルポートが「これは人間の本性」と言ってる通り、どんな優秀な集団でも、意識の高い集団でも、この偏見の問題って絶対発生すると考えておいた方がよさそう。優秀で、高潔な人間性があって、という人を集めたところで、人間というのは本来そういうものだからという認識で準備をした方がよさそう。

というこの考え方すら偏見であるというパラドックスがあるね。