成人発達理論による能力の成長 がとても良かった
成人発達理論による能力の成長を読んだ
成人発達理論というのはカート・フィッシャーという人の理論で、「能力」の発達理論である「ダイナミックスキル理論」をベースにしているらしいです。
筆者はカート・フィッシャーやロバート・キーガンと親交のある方で、ロバート・キーガンの名前や、その発達理論の話も出てきました。
成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法
成人の能力発達は線形モデルではない
能力発達というと、何らかの線形モデルをイメージすると思いますが、そのモデルでは表せないんですよ、的な話でした。
例えば我々がパッとイメージする能力成長って
絵を描く
とか
絵を描く
とかじゃないかと思うんですが、この本では
能力の成長モデルは網の目モデルで非線形と書いてあります。また、この本で言っている「能力」の定義がちょっと言語化が難しいやつでした(本読んでみて下さい…!)
ギターで例えるダイナミックスキル理論
1つのスキルだと思っているものでも、分解していくと様々なスキルの集合体になっているというようなことも書いてあるんですが
例えばギターを演奏するというスキルについて考えると
- 左手の運指能力
- 右手のストローク能力
- 音感
- リズム感
- 周囲の演奏を聴く能力
- 構成を覚える能力
- フレーズの引き出し
などの能力に分解できます(多分もっとある) これらのスキルが、徐々にそれぞれ上達し、それが交わって網の目を作った段階で、統合された「ギター演奏能力」が上達するというのがダイナミックスキル理論で
そのため、あるとき突然「急に上達した」みたいなことが起こるんだということらしいです
様々な学びのある本
このダイナミックスキル理論自体がとても興味深い理論なんですが、そこに出てくる要素がまた興味深いんです
読んでいた時のメモを雑に書いていく感じになりますが、一通り書いておくと
- 能力には環境依存性があるから、環境が変わって能力がうまく発揮できなくなるとかが起こる
- 万能なリーダーシップ能力を追いかけることは、幻想を追い求めることと似ている、何故なら能力には環境依存性、課題依存性があるから
- 能力の成長には5つの法則(統合化、複合化、焦点化、代用化、差異化)がある
- 「有機体要因」(能力は種になる能力が集まってできるので、種がなければ能力成長はない。「無から有は生まれない」という要因)と「環境要因」(能力が発揮できる環境が整っていなければ能力は成長しない、能力が成長するために適切な課題がなければ能力成長はない)というのがある
- 能力はだんだん具体から抽象にレベルアップしていくんだけど、抽象性が大事なのはそれが「再現性」につながるから
あとは「ピアジェ効果」についても何か書いてあった気がします(ちょっと忘れたw)
ということで、一言いうとめっちゃオススメです
おわり